治療内容
当クリニックは食道、胃、十二指腸、大腸、肝臓、胆嚢、膵臓など消化器疾患の診断・ 治療を、上部内視鏡検査(経口、経鼻内視鏡検査)や腹部超音波検査などを用いて専門的に行います。
また高血圧症、高脂血症、糖尿病などの内科疾患の診療とともに生活習慣病の予防、健診、各種 疾患の相談、診療を行っています。特に上部内視鏡検査や腹部超音波検査、B型、C型ウイルス性肝炎の診断・治療には力を入れています。
1.内視鏡検査について
胃癌や大腸癌などの消化器癌の早期発見と早期治療には内視鏡検査が効果的です。当院では最新の内視鏡システムを導入し、苦痛が少なく安全な内視鏡検査を心がけています。
尚、下部大腸の内視鏡検査は行っていませんが、当院の持つネットワークの中で信頼できる先生にお願いしています。
1)最新機器の導入:ハイビジョン内視鏡システム
ハイビジョン技術を内視鏡に導入し、これまでに比べ格段に鮮明な画像が得られるようになりました。その結果、消化管の微細な粘膜構造の変化も観察しやすくなりました。
2)経鼻内視鏡検査の導入:
胃の内視鏡検査(いわゆる胃カメラ検査)はむかつき、苦痛が強いという経験を持っておられる方もあると思います。 当院ではより安全で苦痛の少ない内視鏡検査として注目されている経鼻内視鏡を使用 。経鼻内視鏡は一般的な経口挿入に比べてむかつきが少なく、また従来の 内視鏡よりも細くて(外径5.5mm、先端5.0mm)軟らかくなっています。採用内視鏡;オリンパスGIF-XP260N
3)経鼻内視鏡の特徴:
a)苦痛が少ない:内視鏡は鼻に挿入できる外径約5.5mmの細さのため検査中の苦痛が少なく鎮静剤の必要もありません。
b)吐き気が少ない:内視鏡が鼻腔を通るため、のどに触れることもなく、吐き気(咽頭反射)もほとんど感じずに検査を受けていただけます。
c)会話もできる:検査中もモニターを観察でき、医師と自由に話ができるので安心です。
d)経鼻挿入上の問題点:
- 鼻腔の麻酔や注意深く鼻腔挿入をする為に、経口よりも多少時間が長くかかることがあります。
- 鼻の麻酔と検査の際に鼻の違和感もしくは痛みを感じることがあります。
- 鼻腔の形は個人差が多く、鼻腔が狭い 患者さんの場合は 内視鏡が挿入できないことがあります。通常右の鼻より挿入しますが、困難なら左側より挿入します。また、両側からも挿入困難な場合は無理をせずに、経鼻内視鏡を口から挿入して検査します。
- 検査後に鼻出血を起こす恐れがありますが、ほとんどの出血は鼻の圧迫などで簡単に止まります。
- 鼻出血の恐れのある患者さん(抗凝固療法中、肝硬変などの患者さん)には口からの内視鏡検査をお勧めします。
- また詳細な観察、生検が必要な場合には経口法による内視鏡検査を行います。
内視鏡検査のご予約やご質問がございましたらお気軽にお問い合わせください。
なかじま内科クリニック TEL:077-536-5181
2.C型慢性肝炎のインターフェロン治療
1)C型肝炎について
現在、日本人の100人中1~2人がC型肝炎に感染しています。ほとんどの人が、注射器を消毒して繰り返し使っていた時代の医療行為や輸血、さらにはフィブリノーゲンや血液凝固因子などの非加熱血液製剤の点滴注射などによって感染したものです。1989年にC型肝炎ウイルスが 発見され、その後、輸血による新たな感染は減少しています。
しかし、C型 肝炎の恐ろしさは、感染後20~ 30年してから、慢性肝炎、肝硬変、さらには肝癌を発症することです。C型肝炎は、一度感染すると自然にウイルスが排除されることが無く、60~70%の患者さんが無症状のまま慢性肝炎、肝硬変に進行、 肝硬変になると年間で 100人中6~8人の割合 で肝癌が発症することがわかっています。
肝癌による年間の死亡者数は3万5千人に達し、これは癌による死因では 肺がん、胃がん、大腸がんについで第4位となっています。

しかも、50~60代の働き盛りの年代では第1位となっていて、今後もこの傾向は続くと考えられています。肝癌の約80%はC型肝炎ウイルスが原因とされ、C型肝炎は21世紀の国民病とまで言われています。
2002年4月から、住民検診で肝炎検診も行われるようになり、積極的に潜在C型肝炎患者の掘り起しが行われています。C型肝炎とわかったら自覚症状が無くてもぜひ肝臓専門医を受診してください。C型肝炎の進行状況によって治療方針が異なりますが最終的には肝癌撲滅が目標です。
2)C型慢性肝炎の治療
慢性肝炎の段階ではまず自覚症状はありません。しかし 肝硬変、肝癌に進行するのを止めることができるのはこの慢性肝炎の段階です。
C型慢性肝炎の治療には、ウイルスを排除し根本的な治癒を目的としたインターフェロンによる抗ウイルス療法と肝硬変、肝癌への進展抑制を目的とした肝庇護療法とがあります。
当院では 慢 性肝炎や肝硬変のインターフェロン治療、ウルソデオキシコール酸、強力ミノファーゲンCによる 肝庇護療法、また肝硬変症、肝不全、肝癌の 治療を行っています。
a)抗ウイルス療法(インターフェロン療法)
C型肝炎の完治を目指した根本的な治療です。15年ほど前からC型慢性肝炎に対してインターフェロン治療が行われていますが、当初の完治率は全体で約30%ぐらいでした。しかし、10年ほど前にウイルスの遺伝子型やウイルス量が 治療効果に重要と判明しました。
ウイルスの遺伝子型にはセログループ1と2がありますが、セログループ1で高ウイルス量のC型慢性肝炎(日本人 の約70%がこのタイプです)は難治性C型慢性肝炎といって非常に完治率の悪いもので、当時 のインターフェロン単独治療の成績では完治率は6~ 7%でした。
しかし2001年、インターフェロンと 抗ウイルス薬リバビリン(レベトール)の24週間の併用治療が認可され、完治率は20%に上昇しました。さらに2004年にはペグインターフェロンとリバビリンとの48週併用治療が始まり完治率は50%になっています。
まだまだ 十分とはいえませんが、2人に1人は完治できるところまで来ています。また遺伝子型がセログループ2では、24週間の併用療法で完治率80~90%と良好です。
このペグインターフェロンとリバビリン併用治療は、全身倦怠感、発熱、感冒様症状、脱毛、甲状腺機能異常、まれにうつ症状、呼吸器症状などの一般的なインターフェロンによる副作用に加えて、リバビリンによる溶血性貧血の副作用があるため、貧血のある患者さんや種々の合併症のある70歳以上の高齢者には原則治療継続困難となります。しかしながら患者さんの病状は各々異なりますので、十分に検討して最適な治療を決めさせていただきます。
また現在C型慢性肝炎難治症例に対してペグインターフェロン、リバビリン併用治療にプロテアーゼ阻害薬をさらに加えた三者併用療法が検討されています。24週治療で完治率が約70%と報告されており、今後早期に治療が可能になることが期待されています。
b)肝庇護療法
完治を目指す根本治療ではないので、ウイルス量を減らしたり消失させたりはできません。肝臓での炎症を軽減させ慢性肝炎の悪化、肝硬変への進行を抑制し肝癌の発症を抑えることを目的とした治療です。
脂肪肝の患者さんには体重の調整などの食事療法、薬物療法ではウルソデオキシコール酸(ウルソ)の内服、強力ミノファーゲンCの注射が一般的です。また鉄過剰の患者さんは瀉血も効果的なことがあります。
肝庇護療法は貧血や70歳以上の高齢者でインターフェロン治療の出来ない患者さん、インターフェロン治療で完治できなかった患者さん、インターフェロン治療の副作用のため治療継続できなかった患者さん、また様々な理由でインターフェロン治療を希望されなかった患者さんなどに行ないます。